復活も噂されるホンダ「S2000」の歴代モデルを振り返る

 
ホンダ「S2000」は1999年から2009年まで生産されていた名車であり、ホンダでは実に29年ぶりとなるFR(後輪駆動)のオープン2シータースポーツカーです。今回は、リアルスポーツカーと呼ばれたホンダ「S2000」の歴代モデルを振り返っていきます。

1999年4月 「S2000」正式デビュー(AP1型)

ホンダS2000

1998年9月、ホンダは「S2000」の名前で正式にプロトタイプを発表しました。この時点では、まだ細かい部分が最終決定されていなかったり、足回りのセッティングもまだ煮詰めている途中、さらに価格が決定する前にも関わらず予約が殺到しました。そして1999年4月「S2000」が正式にデビューし瞬く間にヒットモデルとなりました。そんな旋風を巻き起こした当時の「S2000」を振り返っていきましょう。

新開発のエンジン及びトランスミッション

S2000 ホンダ

画像出典:caradvice

「S2000」には、SSMのインスパイア用の直列5気筒だったエンジンにかわり、生産型では新開発のオールアルミ4気筒DOHC 4バルブエンジンのF20C型が搭載されています。
F20C型はVTECにより最高出力250ps/8,300rpm(許容回転数は9,000rpm)自然吸気でリッター125psという量産市販車では驚異的な高回転高出力を実現していたことには大きな注目が集まりました。

6MT専用車だった理由

ホンダには、これまで縦置FRに対応するトランスミッションを持っていなかったことから6MTを新たに開発しています。ホンダ自身が6MTの開発を行ったのは市販車初の9,000rpmも回るエンジンに対応できる部品メーカーがいなかったためです。ATが設定されなかったのも同様の理由からで、「S2000」は最後まで6MT専用車とホンダの歴史上唯一のモデルです。

クローズドボディ並みの強靭な車体

オープンカーはクローズドボディの車に比べて車体の剛性が不足しがちになり、かといって剛性を補おうとすると重量が重くなってしまうという欠点があります。これを解決するため「S2000」では『ハイXボーンフレーム構造』を採用し、そのことにより軽量化と高い剛性の両立を実現しています。これは車体中央を貫くボックス形状のフロアトンネルを高い位置におき、フロント、リアを支えるサイドメンバーという重要なフレームに結合することでボディの剛性や衝突安全性をクローズドボディ並みに高めるための構造です。結果的にこの構造が重量のむやみな増大を招かず、1,240kgと比較的軽量に仕上げることができたのです。この車体にホンダ伝統のダブルウィッシュボーンサスペンションが組み合わされ、スポーツカーとしてふさわしい運動性能を実現しました。

S2000 ホンダ

画像出典:honda

「S2000」の原型とは?

ホンダ「S2000」の原型は、1995年に開催された「第31回東京モーターショー」でホンダが参考出品したコンセプトカー「SSM(「スポーツカー・スタディ・モデル」の略です)。後の生産型「S2000」に全体のプロフィールやテールライトがよく似ていますが、出品した時点では生産化の計画があったわけではありません。同じショーでは、ホンダの展示スペースの斜め前にイタリアのピニンファリーナによるオープン2シーターのコンセプトカー「アルジェント・ヴィーヴォ」が展示されていました。この2台、共にエンジンはホンダインスパイアの直列5気筒、足回りは「NSX」の流用で両車ともデザインコンセプトの提案が目的でしたが、このショーでも特に評判が良かったことを受け受け、正式に「SSM」の開発にGoサインが出たという経緯があります。

S2000 ホンダ

画像出典:tiptopglobe

2000年7月 「VSG」仕様追加

S2000 タイプV

画像出典:acurazine

世界初となるステアリング機構、VSG(可変ギアレシオステアリングシステム)を採用した「Type V」が追加。低速域ではロックtoロック1.4回転(ノーマルは2.4回転)とクイックなハンドリングを実現し、一方で高速道路を流して走るような時にはノーマル車と同様といったように車速と舵角に応じてステアリングギアレシオを変えるものです。「Type V」はサスペンションにも専用のチューンが施されていることもあり、スラローム走行などでもフラットな姿勢でクイックなコーナーリングができる、と評判でした。

2001年9月 内外装中心に一部仕様変更

内外装が見直され、これまで不評だったビニール製のリアスクリーンがガラス製に変更されるなど、品質感の向上を図っています。

2003年10月 一部仕様変更

外装の変更及び車体剛性のアップ、トランスミッションのシンクロへのカーボン素材の採用が行われました。その他、タイヤ、ホイールを17インチにし、サスペンションのセッティングも変更されています。

2005年11月 一部仕様変更で排気量拡大(AP2型)

S2000 ホンダ

画像出典:youtube

エンジンが北米仕様に搭載されていた2.2L仕様に変更されるとともに若干ロングストローク化、最高回転数は8000rpmと抑えたことで最高出力は8psダウンしましたが、逆に最大トルクは0.3kgmアップし、しかも旧型では6000rpmで出していたトルクを3000rpmで発揮できるようになるなど、より扱いやすい特性へと変更されています。
あわせてリアサスペンションの設定を変更し、よりしなやかな動きを実現しています。

2007年10月 「タイプS」追加、そして生産終了へ

S2000

画像出典:wikipedia

全車にVSA(横滑り制御装置)を標準装備し、「Type S」を追加しました。この「Type S」は究極の「S2000」ともいえるものです。フロントスポイラーと大型リアスポイラーで武装し、ホンダのテストコース「ブルービンググランド鷹栖」でサスペンションチューニングを煮詰めてスポーツ性能を向上させたスパルタンなモデルでした。そして2009年1月に生産終了に関するアナウンスが発表され、同年8月をもってホンダのラインナップからは消滅しました。国内での総生産台数は21,616台、2016年時点での現存台数は17,459台とのことです。

「S2000」の復活はあるか?

S2000?

画像出典:motor1

2018年はホンダが創立70周年を迎える記念すべき年ですが、この年に「S2000」が復活するという噂が広まっています。ホンダはアメリカの特許庁に「Baby NSX」、欧州の知的財産局に「ZSX」が商標登録されていることから、これらが新S2000になるとの予測があるからです。この商標登録された「ZSX」を見ると「NSX」と「S660」の中間のようなサイズ感、デザインで駆動方式はミッドシップのように見えるデザインです。また、オープンカーなのかクーペなのか、あるいはその両方のボディが用意されているのか、いずれにせよまだ噂の域を出ません。この「ZSX」が、日本デビューの際に「S2000」を名乗るのかどうかはまだ不確かですが、かつてのようなFRでオープン2シーターFR、「S2000」の再登場は可能性は低そうですが期待したいところです。

一緒によく読まれている記事

買取より高く売りたいなら個人売買

注目のまとめ記事

この記事に関して報告をする