WRC3連覇の偉業も達成!スバル「インプレッサ」の歴代モデルを振り返る

 
2016-2017年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したスバルのニュー・インプレッサ。質実剛健な作りと硬派なスタイリングで人気の一台ですが、今回はそのインプレッサの生い立ちについて振り返ってみました。

スバルの屋台骨「インプレッサ」の歴史

初代「インプレッサ」が誕生したのは、今からさかのぼること25年前の1992年のことでした。
当時のスバルにとって「ラリーで勝てる車種を作ること」は、ある意味では命題となっており、「レオーネ」「レガシィ」と受け継ぎながら熟成させてきた水平対向4気筒とフルタイム4WDという組み合わせを、より小さく軽量なボディに詰め込むことで生まれたのが「インプレッサ」という車でした。
もちろん、その為だけに作られたというわけではなく、その当時の国産ベーシックカーの代名詞でもあったトヨタ「カローラ」、日産「サニー」などとの競合車種として、スバルのCセグメントを担う車種となりました。
そんな「インプレッサ」も、昨年フルモデルチェンジしたGT/GK系で5代目となり、「レガシィ」と共に今のスバルを支えてきた車種と言っても過言ではありません。それでは、そんな「インプレッサ」の25年の歴史を振り返ってみましょう。

初代GC/GF系(1992年~2000年)の特徴

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初代「インプレッサ」は、「レガシィ」の後を引き継ぐグループAのラリーカーに参戦することを目的の一つとして開発されました。初代「レガシィ」のシャシーをベースに、寸法を切り詰めつつも全高を10mm上げた上に、様々な部分での軽量化を図った結果、車両重量で80kgもの軽量化を実現しました。その結果、「インプレッサ」は1993年「レガシィRS」の悲願のWRC初優勝の翌年デビューを飾り、初参戦にもかかわらず2位の成績を勝ち取りました。

市販モデルでは、ボディタイプには4ドアセダンと当時人気の高かった5ドアのワゴンが用意され、全グレードで水平対向4気筒エンジンを採用し、1.5L,1.6L,1.8L,2.0L・SOHC、2.0L・DOHCのNAとWRX系に積まれる2.0L・DOHCターボと多彩なグレードを誇りました。今では独立していますが初代のインプレッサにはよりスポーツ性能を意識した「インプレッサWRX」が用意され、その他にも、軽量化などによりさらにスパルタンな「WRX STi」や、モータースポーツベース車として「WRX STi Type RA」など豊富なラインナップが用意されました。なお、この初代モデルは、スバルお得意の年次改良によりモデルサイクルは8年と長めに設定され変わらぬ姿から何台か乗り継ぐ人も多いくいました。当初250psでデビューした「インプレッサWRX」は、その長いモデルサイクルの間に、STiの手による限定車とは言え、最高で300psと、50psものパワーアップを果たしました。

全長×全幅×全高 4,340mm×1,690mm×1,405mm
ホイールベース 2,520mm
車両重量 1,220kg
燃費(10・15モード) 9.5km/L~16.6km/L
新車販売価格 121.9万円~

参考動画

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=sUjuLLmLQ1M

二代目GD/GG系(2000年~2007年)の特徴

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基本的なボディデザインは初代を踏襲した二代目「インプレッサ」がデビューしたのは2000年。衝突安全ボディ等の採用により車体重量は増加し、セダンでは全幅が3ナンバーサイズまで拡大しました。バリエーションは適度に整理され、ボディは先代と同じセダン、ワゴンの二本立て。採用エンジンは全車水平対向4気筒で、1.5L・SOHC、2.0L・DOHC、とWRX系に積まれる2.0L・DOHCターボとなりました。
先代の2.0L・DOHCエンジンで初採用された吸気側の可変バルブタイミング機構や、燃焼効率の上昇などの為にTGVという新機構がターボエンジンでも採用された結果、STiバージョン以外のターボエンジン採用車と2.0L・NAの車両が「良低排出ガス車」、1.5Lが「優低排出ガス車」に適合するなど、スポーツイメージ以外のところでも着実な進化を遂げました。初代と比べ販売で苦戦を強いられた二代目は、大幅なフェイスリフトを含む年次改良を施しながら、7年という長いモデルサイクルで販売されました。

全長×全幅×全高 4,415mm×1,695~1,740mm×1,425mm
ホイールベース 2,525mm
車両重量 1,390kg
燃費(10・15モード) 10.4km/L~16.6km/L
新車販売価格 119.9万円~

参考動画

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=u-z6sOabGuk

三代目GE/GH/GR/GV系(2007年~2011年)の特徴

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三代目となり、それまでのイメージを大きく覆した「インプレッサ」。先代と比べ丸みを帯びたボディを採用し、全車3ナンバーサイズとなりました。先代までのワゴンが廃番となり、新たに5ドアハッチバックが標準ボディとして採用されました。また国内ではセダンは一年遅れで投入され、新たに「インプレッサ・アネシス」という名を与えられました。
海外向けの2.5Lターボモデルには引き続き「WRX」の名が使われましたが、このモデルから国内向けグレードとしての「WRX」は消滅し、2.0Lターボ車は2.0 S-GT(後に2.0GT)となりました。またこれまで「インプレッサ」の中でも、極めてスパルタンなモデルとして初代から存在していた「WRX STi」も、2010年の年次改良時からは車名から「インプレッサ」を外し「スバル WRX STi」として独立したモデルとなりました。他にもSUVイメージを強めたクロスオーバーのXVを追加するなど、今までのインプレッサのイメージからの脱却を感じさせる一台となりました。

全長×全幅×全高 4,415~4,580mm×1,740~1,770mm×1,475~1,520mm
ホイールベース 2,620mm
車両重量 1,230~1,410kg
燃費(10・15モード) 13.0km/L~17.6km/L
新車販売価格 150.1万円~

参考動画

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=xKa6WhUio8k

四代目GP/GJ系(2011年~2016年)の特徴

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これまでのモデルと比べ、内外装の質感を高めたモデルとなったのが四代目「インプレッサ」です。
5ドアハッチバックとセダンの構成は変わらず、5ドアハッチバックをスポーツ、セダンをG4とそれぞれ呼称を改めました。ボディサイズはほとんど変わらないながらも、ホイールベースを延長し室内を広くすることに成功しました。また、エンジンは新世代ボクサーエンジンに刷新され、1.6L・DOHC、2.0L・DOHCの二種類となり、リニアトロニックと呼ばれるCVTとアイドリングストップなどとの組み合わせにより燃費が大幅に解消されることとなりました。更にアイサイトと名付けられた市販車用としては世界初の、衝突被害軽減ブレーキシステムを搭載することによりスポーツイメージだけではない「インプレッサ」を印象付けました。
先代に存在したクロスオーバーモデル「XV」は、「WRX STi」と同じように、このモデルからは独立した車種となり「インプレッサ」という名前が外れることになりました。

全長×全幅×全高 4,415~4,580mm×1,740~1,755mm×1,465~1,490mm
ホイールベース 2,645mm
車両重量 1,250~1,390kg
燃費(10・15モード) 15.4km/L~17.6km/L
新車販売価格 159.8万円~

五代目GT/GK系(2016年~)の特徴

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スバル・グローバル・プラットフォームと呼ばれる新世代のプラットフォームを採用し、五代目となった「インプレッサ」。ボディ構造の最適化と高張力鋼板の配置最適化によって衝突安全性をより一層高めるとともにボディ剛性なども格段に向上しました。
またボディサイズ、ホイールベース共に先代よりも更に大きくなり、質感をアップさせた内装と合わせ、各座席での快適性が一クラス上がったように思えます。先代で採用されたアイサイトもVer.2からVer.3へと更なる進化をし、国産車初となる歩行者保護エアバッグの採用とともに、乗員の安全だけでなく歩行者にも優しい車となりました。採用されるエンジンは型式こそ先代と変わらず1.6Lと2.0LのDOHCを採用しますが、直噴化や部品設計の見直し等により、2.0Lではエンジン単体で約12kgもの軽量化を図りました。上質なデザイン・安全性能が評価され、見事2016-2017年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。

全長×全幅×全高 4,460~4,625mm×1,775mm×1,455~1,480mm
ホイールベース 2,670mm
車両重量 1,300~1,400kg
燃費(10・15モード) 15.8km/L~18.2km/L
新車販売価格 192.2万円~

WRCでの活躍

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最初にも書いた通り、「インプレッサ」はラリーに勝つために作られた車種として生まれ、その結果、世界中のラリーシーンを席巻しました。そのことは、1993年、デビュー戦の1000湖ラリーで2位という事実からも伺い知れるというものです。また、1995年から3年連続でのマニュファクチャラーズ・チャンピオンの獲得、ドライバーズ・チャンピオンも1995年、2001年、2003年と3度の栄冠に輝いています。
しかし、それまでのメインスポンサーであったタバコメーカーが撤退したことによる資金不足や、元々素性の良い水平対向エンジンを積む「インプレッサ」にとっては、あまりメリットのないWRカーの改造範囲規定自体が足かせとなり、2008年にはそれまで14年間続いた「インプレッサ」のワークス活動に幕を下ろすこととなりました。

まとめ

サラブレットとして生まれ、その後のWRCからの撤退により第二の人生を歩むこととなった「インプレッサ」。しかし、世界でも第一線級だったラリーカーとしての素性の良さは、一般公道上でも陰ることはありませんでした。新しいプラットフォームと磨きをかけた安全性能を手に入れて、更に進化を続ける「インプレッサ」。これからも目が離せませんね。

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