高級車にFRが採用される理由とは?FR車のメリットと代表的な車種まとめ

 
高級車に多いFR車ですが、低コストで開発できるFFが主流となった今でも根強く採用され続けているのは何故だかご存知でしょうか?今回はFR車のメリットとデメリットに触れながら、その理由と魅力、また代表的なモデルをご紹介します。

FR車のメリット

高級車に多いFR車ですが、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?

理想的な重量配分

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画像出展:mazda.co.jp

エンジン、ミッションなどの走行に関係する重量物をすべてエンジンルーム内に収める必要がある「FF車(フロントエンジン・リアドライブ)」はどうしてもフロント側に重量が偏ってしまいがちです。対して「FR車」はエンジン、ミッション、デファレンシャルを、車体に対して縦方向に並べるように配置できるため、理想的な重量配分を取りやすいとされています。普段使いで乗っているだけではあまり感じることのない重量配分ですが、重量配分を理想の50:50に近づけることでさまざまなメリットが生まれます。

素直なコーナーリング

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FR車のもっとも大きなメリットはコーナーリング時の安定性です。乗用車は言うまでもなく前後左右4つのタイヤを使い支えていますが、カーブを曲がる際、車は遠心力で常に外へ外へと逃げようとします。つまり、フロントにに重心がある場合には、車のフロント側から常に外に逃げるようになりやすくなるため、曲がりにくい(アンダーステア)状態となってしまいます。逆にリヤ側が重たい場合は、車のお尻が外へ持っていかれ、その分フロント側は内側に切り込んでいき、曲がりすぎる(オーバーステア)状態となってしまいます。
その点FR車では前後の重量配分が50:50に近いので、重心が中央に保たれるので、曲がりにくいアンダーステアや曲がりすぎるオーバーステアなどが起き辛く、素直で理想的なコーナーリングがしやすく、不安定な挙動が出にくいという理由から、乗り心地が重要視される高級車に採用されるケースが多くなっています。

タイヤの負担軽減

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一般的に「FF車」はフロントタイヤばかり減ってしまう傾向にありますが、その理由は、もちろん重心がフロント側に寄り過ぎてしまっているためです。それともう一つ、「FF車」の場合フロントタイヤが「走る・曲がる」という2つの仕事を請け負っているのに対し、「FR車」はフロントタイヤで曲がり、リヤタイヤで駆動するといった具合に役割を分担できるため、4つのタイヤは比較的均等に減っていくことができるのです。

エンジンの選択幅が広い

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画像出展:maserati.co.jp

1つの空間(エンジンルーム)に全てを詰め込む必要のある「FF車」では、スペースの問題からあまり大きなエンジンを積む事が出来ません。
しかし「FR車」は比較的スペースがとりやすく、大きなエンジンを積む事が出来ます。余裕を持った動力性能は高級車やスポーツカーには欠かせない要素であるため、大きく高出力のエンジンを載せやすいFRのレイアウトが選ばれているのです。

高い駆動力

ここまで理想的な重量配分がもたらす安定性とタイヤにかかる負担が少ないという経済性、また高出力エンジンなど多くの選択幅が取れるなど多くのメリットがある「FR車」ですが、加えて相乗効果をもたらすのが「トラクション性能」です。トラクションとはタイヤが地面を捉え、車を前に進める駆動力のことを指す言葉ですが、発進時トラクションが小さいとタイヤが滑って前に進まず、コーナーリング時にトラクションが無くなってしまうと、全く曲がらない、またはスピンのような危険な現象が起きてしまいます。
車は前進しようとすると、慣性の法則により後ろに重心が移動し、リヤ側に多くの荷重がかかります。荷重が多くかかれば、タイヤと路面の摩擦力が大きくなり、トラクションが増すことになるため、「FR車」は「FF車」に比べ高い動力性能を誇ります。

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高い走行性能を実現するのにうってつけ

以上のような理由からハイパワーエンジンで早く加速することが求められるレーシングカーや、重たい荷物を積み大きな駆動力を必要とするバンやトラックに、「FRレイアウト」が多く採用されています。

デメリットは?

数多くのメリットがあるFR車ですが、デメリットも幾つか存在します。

まず居住空間が狭くなること。FRレイアウトではプロペラシャフトは車体の真ん中を通るため、どうしても居住性が犠牲になってしまいます。さらにディファレンシャル・ギアのスペースが必要となり、ラゲッジールームも狭くなりがちです。

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▲FR車では後部座席の中央に出っ張りができてしまう。

画像出典:bmw

また、舗装路では抜群の操舵性を誇りますが、凍結した路面や砂利道などでは駆動輪への荷重が少ないためFFよりもスリップの危険性が高くなります。そのほかでは開発コストがかかることによってどうしても高額になってしまう点や、大型エンジン搭載によるボンネットの大型化、、互換パーツの少なさによる維持費の上昇などといったデメリットが挙げられます。

運転の楽しさを存分に味わえる分、コストや快適性が少し犠牲になるという形です。

FRが高級車にしか採用されないのはなぜ?

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画像出典:flickr

最近の車ではFFが採用されることが多く、FRは少数派となっています。少し昔の話をするともともと車はFRが主流でした。しかしその後技術の進歩により駆動と操舵を同時に行えるFFが開発され、一気に幅をきかせるようになったのです。FFの最大の魅力はコストが安いことと居住空間を広くとれること。ドライビングフィールをそれほど重視しない大半のドライバーからしたらそのメリットの方が大きく、FF車が多くなっているわけです。事実コスパが重視されやすいコンパクトカーにおいてはFR車はほぼ消滅しています。

ただしこういった傾向も高級車になると少し事情が変わってきます。高級車を選ぶような顧客は一般的な人よりも走行性を重視する傾向がありますし、安いというFF最大のメリットも軽視されます。また、高級車では伝統を重んじる傾向もあり、ブランディングも含めてFRが採用されています。

代表的なFR車

以上のような理由から、高級車やスポーツカー、そして貨物車など、に多く採用されていることが多い「FR」。代表的な車種には以下のような車種があります。

国産車

レクサス
▲トヨタ「レクサスLS」

フェアレディZ
▲日産「フェアレディZ」

代表的な国産FR車一覧

レクサス LS」「GS」「IS
トヨタ センチュリー」「クラウン」「マークX」「ハイエース
日産 「プレジデント」「フーガ」「スカイライン」「フェアレディーZ」「キャラバン」
マツダ RX-8」「ロードスター

参考動画

画像出典:youtube

輸入車

5シリーズ
▲BMW「5シリーズ セダン」

Sクラス
▲メルセデスベンツ「Sクラス」

代表的な輸入FR車一覧

メルセデス・ベンツ Sクラス」「Eクラス」「Cクラス
BMW 7シリーズ」「5シリーズ」「3シリーズ
その他輸入車 マセラティアストンマーティンシボレー・カマロなど

参考動画

画像出典:youtube

FR車に関する口コミ

まとめ

今回は「FR車」のメリットについて解説していきました。近年では居住性を優先のデザインや、エンジンやミッションの小型化などの影響で数を減らしつつある「FR車」ですが、車が本来求めるべき性能という面ではとても優秀であるため、走りを求める方にとって欠かせないモデルであることは間違いありません。

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