90年超の歴史に一旦幕を閉じるロールスロイス「ファントム」を振り返る

 
2003年来、BMWによる買収によって設立されたロールス・ロイス・モーター・カーズによって製造されてきた同社のビッグネームでもあるファントム、本年2月には現行型を年内で製造終了とすることが発表されました。 今回はBMW買収以前のロールス・ロイス・モータースの時代を含めて歴代のファントムを振り返っていきます。

初代ファントム 1925年から1931年

ロールスロイスファントムの歴史

初代ファントムは1925年にシルバー・ゴーストに代わるモデルとして誕生しました。搭載するエンジンはプッシュロッド-OHVによる直列6気筒エンジン。ボア、ストローク共に100mmを超える大きなシリンダーは総排気量7,668ccを誇りました。
総生産台数は3,512台、およそ3分の2がイギリスで、残りがアメリカで販売されています。

2代目ファントム 1929年から1936年

ロールスロイスファントムの歴史

初代とオーバーラップする形で誕生した2代目は、エンジンを初代からの改良型としています。バルブ駆動機構や総排気量は共通ながらも、シリンダーヘッドは新たにクロスフローとし、燃焼効率を改善しました。
2代目ではシャーシの改良に主眼が置かれ、フロントアクスルやリアアクスルなどに当時としては先進のメカニズムを採用しています。

ファントムⅢ 1936年から1939年

ロールスロイスファントムの歴史

ファントムⅢでは搭載エンジンを刷新しました。アルミニウム製のV型12気筒7,338ccエンジンはロングストロークへと改められています、また、バルブクリアランスを調整する油圧式タペットやツインプラグを採用するなど、メカニズム面での刷新にも余念がありませんでした。
1938年に雑誌社がテストしたところによれば最高速は140km/hを達成したそうです。

ファントムⅣ 1950年から1956年

ロールスロイスファントムの歴史

ファントムⅣは歴代のロールス・ロイスのモデルで最も高価とされる車両です(当時と現代との時価換算などによる)。
6年間で製造されたのはわずかに18台、販売されたのは17台です。この車は各国のリーダーや王族などに愛用され、その後は博物館やコレクターの手に渡り、16台が現存しているといわれています(過去記事URL:https://carnny.jp/3724)。

ファントムⅤ 1959年から1968年

ロールスロイスファントムの歴史

ファントムⅤはⅣに比べれば多数の、516台が製造されました。この車はシルバー・クラウドⅡをベースに製作され、搭載するV型8気筒6,230ccエンジンや、GM製のオートマチックギアボックスなども共通です。
ロールス・ロイス自身はシャーシとドライブトレインの製造を行い、ボディーはコーチビルダーに外注することなどで生産台数を増やした面もあります。

ファントムⅥ 1968年から1990年

ロールスロイスファントムの歴史

ファントムⅤをベースにエクステリアや、インテリアではダッシュボードなどを新たにすることで誕生したのがファントムⅥです。多くの人がロールス・ロイスと聞いて思い浮かべるのもこのモデルではないでしょうか。日本映画でも、「マルサの女」に登場したのはこのモデルかと思います。
ファントムⅥはセパレートシャーシを採用した最後のモデルです。フロントにはコイルスプリング、リアはリーフスプリング、ブレーキについては4輪ドラムブレーキでした。
22年に渡るライフサイクルのうち、73年まではロールス・ロイス・リミテッド、それ以降はロールス・ロイス・モータースと社名も改めています。
多くの人々の印象に残るこのモデルですが、22年間で製造されたのは374台に留まっています。

ファントム 2003年から2016年

ロールスロイスファントムの歴史

BMW傘下のロールス・ロイス・モーター・カーズになってから発表された現行型がこちらの7代目ファントムです。
搭載するエンジンはBMW由来のV型12気筒6.75リッターエンジンですが、組み立てをイギリスで行ったり、レザーなどの内装パーツ類もサセックスの工場で組み付けを行うなど伝統を重んじながら開発されているモデルです。
2014年には4,063台のセールスを記録するなど歴代ファントムで最も多くの台数が販売されているモデルです。
後継車の噂も出ていますが、次のファントムがどのような進化を見せるのか楽しみです。

ファントム次期モデル情報

ロールスロイス最新モデル情報

記事参照元:autoevolution

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