【ポルシェ911の歴史】進化を遂げ続ける911のサスペンション【連載記事】

356の後継車として誕生した911では、サスペンションもより近代的に進化しています。
356では4輪独立トレーリングアームと横置きトーションバーの組み合わせとされたサスペンションは、Type901においてフロントがマクファーソン・ストラットに19mm径の縦置きトーションバーの組み合わせ、リアはセミトレーリングAアームと23mm径の横置きトーションバーへと変更されています。

911サスペンション
フロントには当初から13mm径のアンチロールバーが装備されましたが、それがリアにも搭載されるのは1966年に911 Sが登場するまで待つ必要がありました。
この911 Sではダンパーについてもコニの調整式のものが採用されています。
911サスペンション
1969年に登場したBシリーズからはリアのトレーニングアームを61mm延長しています。これによりホイールベースもそれまでの2,211mmから2,271mm(2,268mmとのソースもあり)に延長され、リアヘビーすぎる特性が改善されたことで、より安定したドライビングを楽しめるようになりました。
この変化はType964が登場するまでの間で最大のものとなっています。

911サスペンション
その964ではトーションバーからついにコイルスプリングへと変更されています。
ですが、それ以外の目立たない大きな変更点として、928で採用されたヴァイザッハ・アクスルと似たような効果を狙ってブッシュ類を含むリアサスペンションのチューニングを行っています。
911サスペンション
そして最期の空冷モデルとなったType993では、サブフレーム付きマルチリンク式リアサスペンションとなったことで、安定性と静粛性において大きな進化を果たしています。
実際に乗り比べてみても、路面からの突き上げの少なさや、段差を乗り越えた場合の収まりが良くなった点などは容易に実感でき、サスペンションからみても、長く続いた空冷時代の完成形といえる出来栄えです。
実際のドライビングでは安定性が増したことで、フロントの回頭性などがスポイルされたように感じることもあります。しかし、峠道などを走ってみるとリアが破綻するような雰囲気は筆者を含めた一般的なドライビング領域ではもはや感じることもなくなりましたので、より安全に高速に移動するという正常進化には間違いありません。

911サスペンション
その後の進化は電子制御が中心になっていきます。2004年にType997が登場すると、サスペンションにはPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント:Porsche Active Suspension Management)が導入され、ダンパーの特性を変更することが可能になりました。
911サスペンション
そしてType991ではより進化したPDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャーシ・コントロール:Porsche Dynamic Chassis Control)が登場しています。

911サスペンション
最新のサスペンション技術としては、991ターボやGT3、GT3 RSに採用されたリアアクスル・ステアリングがあります。このシステムはトーコントロールロッドを電動操作することで50km/h以下での俊敏でクイックなハンドリングの実現と、80km/h以上での安定性の向上を両立しています。基本的な考え方としては90年代前半に日本車の多くの導入された4WS機構と同様です。
そしてこのメカニズムはType991.2のカレラS、4S、タルガSにもオプション設定されるようになっています。

*注:各種スペックなどについては情報ソースにより諸説ありますが、ここでは記事参照元の情報を引用しています。

記事参照元:Total911/Stuttcars.com

一緒によく読まれている記事

買取より高く売りたいなら個人売買

注目のまとめ記事

この記事に関して報告をする