なぜフォードは日本撤退を決意したのか?闇に隠された大きな理由に迫る

 
フォードが日本市場から撤退して早2年。フォード撤退のニュースは日本中を驚かせましたが、その最大の理由とは一体何だったのでしょうか?今回は、フォード日本撤退の真相をあらゆる観点から紐解いていきます。現在、フォード車のアフターサービスはどうなってる?そして、日本復活の可能性は...?

フォードが日本撤退を決意した理由に迫る

フォードの日本市場からの撤退。フォードファンのみならず、車業界全体に衝撃を与えたこのニュースですが、なぜフォードは日本市場からの撤退を決意したのでしょうか。今回はそこに隠された理由について、迫ってみたいと思います。

フォード 日本撤退 理由

突然のフォード撤退

フォードが日本市場からの撤退を発表したのは、2016年の1月26日。年内には日本で行ってきた全事業から撤退することを明らかにし、他市場へ経営資源をシフトしていく意向を示しました。

フォード 日本撤退 理由

画像出典:wikipedia

国内に10店舗ある直営店ディーラーの全閉鎖、42店舗ある独立系ディーラーとの契約終了も決まっています。現フォードユーザーへのアフターメンテナンスなどのフォローは継続していくとのことですが、フォード・ジャパンにとっても寝耳に水であったこのニュースは、大きな衝撃をもって迎えられました。

フォード撤退を報じた記事

原因は日本市場における「アメ車」人気の低迷

原因は日本市場の閉鎖性?

ロイター通信の報道によると、フォードは撤退の理由として日本自動車市場の閉鎖性を挙げているそうです。日本における輸入車のシェア拡大が見込めないことを挙げ、収益性を改善する方法がなく、投資をしてもそれに見合った見返りは得られないとしています。
しかし、本当にそれだけが理由なのでしょうか。

国内でのドイツ車人気とアメ車離れ

フォードは米国自動車業界ではクライスラー、GMと共に「ビッグスリー」に名を連ねており、日本市場においても第二次世界大戦前の1925年から進出している歴史の長い企業です。1970年代にはマツダと提携してオートラマチャンネルを展開するなど、長年日本と深く関わってきました。

フォード 日本撤退 理由

フォードは日本市場の閉鎖性を理由に挙げていますが、実は日本での輸入車市場は決して低迷しているわけではありません。
欧州車は以前日本での販売台数を伸ばし続けており、国内新車販売台数に占める輸入車の割合もいずれ10%まで成長する見込みはあると、BMW社長でもあるクロンシュナーブル日本輸入車組合理事長もコメントしています。
しかしその内訳は日本自動車輸入組合(JAIA)の調査によると、2015年の輸入車ランキングでは1位のメルセデス・ベンツに続き、VW、BMW、アウディ、ミニとトップ5をすべてドイツメーカーが独占しています。昨年のVWの排気ガス不正問題を受けて1位が入れ替わるなどの動きはありましたが、この傾向は数年以上変わっていないのです。

2015年度輸入車新規登録台数

1位 メルセデス・ベンツ 台数:64,001台/シェア:19.60%
2位 フォルクスワーゲン 台数:50,333台/シェア:15.41%
3位 BMW 台数:47,158台/シェア:14.44%
4位 アウディ 台数:27,760台/シェア:8.50%
5位 ミニ 台数:21,640台/シェア:6.63%
15位 フォード 台数:4,477台/シェア:1.37%

日本の輸入車市場ではドイツ車への人気が非常に高く、それに比べ機能性などであまり良いイメージのない米国車は苦しい状況を強いられてきました。
かつて不動の1位を占めていたフォードでさえも現在は年間販売台数5000台を下回り、これ以上日本での経営を続けても意味はないと判断したのでしょう。

TPPが決め手となったか

フォードは投資に見合ったリターンが得られそうにないことも撤退の一因としていますが、これには少し疑問を感じずにはいられません。というのも、フォードは今後の日本向け事業として、フォード車の日本仕様化を進めていたからです。

フォード 日本撤退 理由

画像出典:wikipedia

右ハンドル仕様の「マスタング」導入に始まり、「エクスプローラー」や「フォーカス」の内装にはナビゲーションを装備できるよう改良を進めるなど、日本用の投資はむしろ既に行われていたのです。それではなぜ、このタイミングでの撤退なのかというと、それにはTPP合意が大きく関わっています。

TPPに反対し続けていたフォード

BBC通信によると、フォードのスポークスマンであるニール・マッカシー氏は、「TPPの合意内容はフォードの能力向上に効力を示さない」と発言しています。日米間の貿易関係が一方的だと感じていたフォードにとって、TPPは逆風以外の何物でもなかったのです。
それではフォード以外の海外メーカーも撤退に向けて動き出すのかというと、実はそうとも言えません。先述の通り欧州メーカーは好調ですし、TPPはそもそも無関係です。フォードと同じ米国メーカーのGMは、フォード撤退のニュースを受けすぐに撤退は無い旨を社員に伝えており、FCAもジープの売り上げが上々の中で退くとは考えられません。

フォード 日本撤退 理由

画像出典:wikipedia

TPP合意により、フォードにとって重要なトラック販売まで危うくなりました。事態を危惧して進めていたはずの事業まで放り出してしまったのですから、フォード・ジャパンの社員始め国内ユーザーはまさにとばっちりと言えるかもしれませんね。

日本対策を怠った自業自得の結果?

フォードが撤退した理由には、フォード自身の努力不足もあったのではないかと指摘されています。

既に国産メーカーが揺るぎない地位を誇る日本市場では、海外ブランドが台頭するためには国産車にはない魅力をなにかしらアピールしていく必要があります。1960年代にクライスラーがヘミエンジンを投入して一気に国内シェアを拡大しましたが、こういった日本市場への戦略がフォードには足らず、またフォード自身も改良する気がなかったようなのです。

フォード 日本撤退 理由

画像出典:usnews

廉価版が受け入れられる欧州市場と異なり、日本ではフル装備が基本。そうすると価格面で高くなるフォードは、手が届きにくいと感じても仕方ありません。
日本人向けのフォード車を打ち出すのではなく、本国や欧州で受けのいい車を日本に回すといった姿勢では、より機能性の高いドイツ車にユーザーが流れてしまうのも無理はないでしょう。フォード・ジャパンと協力して日本市場対策をもう少し丁寧に練っていれば、日本市場での活路も見出せたのではないでしょうか。

ユーザーにはどのような対処をしていくのか

フォード 日本撤退 理由

画像出典:carbuzz

今年の初め、急に日本との手を切って撤退してしまったフォード。アフターサービスは続けるとしていますが、それでもユーザーや国内ディーラーへの責任を果たしているとは言えません。
もう日本への興味は無くなってしまったのか、それとも日本景気が上向けばひょっこり戻ってくるのか。どちらにせよ、失ってしまった信頼を取り戻すのは容易ではなさそうです。なお、フォードのアフターサービスは、VTホールディングスの子会社”ピーシーアイ”が業務委託という形で行っています。

最新情報

フォードだけじゃない!クライスラーも日本撤退へ

新たな情報によると、フォードだけでなくクライスラーブランドも2018年内に日本を撤退することを検討していることが明らかになりました。

1996年に国内販売台数1万7404台を突破するなど、かつて日本で成功を収めたクライスラー。今やそのムーブメントは過ぎ去り、販売台数は300台弱まで落ち込んでいます。そのため、唯一展開しているフルサイズセダン「300S」を2018年内に販売終了させた後、正式に日本から撤退するとのこと。米国車の人気は著しく低迷していますが、フォードやクライスラーと共に時代を歩んだゼネラル・モーターズ(GM)の動向も気になるところです。

クライスラー

画像出典:worldwideautosales

フォードが形を変えて再上陸してた

2017年12月13日

フォード 日本撤退

画像出典:sodiper

フォードの日本撤退から2年が経過しましたが、実はフォードのライセンス生産工具「フォードツール」が2017年10月から販売されています。この「フォードツール」は、世界43かカ国で販売されている工具であり、ドライバーやラチェットレンチセットといったハンドツールの他、ツールボックス、メカニックグローブといった軽作業用のアイテムがラインナップ。メンテナンスやパーツの取り付けをDIYという形で楽しむ方にとってはオススメと言えるでしょう。「フォードツール」は、パーツの輸入販売を行うエクシズルラインが国内総代理店として販売しており、全国のカーショップやインターネットで購入することが可能です。

フォード日本撤退で悲しむ声続出

フォード社の車を愛してきた方からは、いろんな意見が出てています。

フォード「フォーカス」が復活するかも?

1905年に日本に初めて輸入されてから111年。日本の自動車文化を長年支え続けてきたフォード復活の可能性は、決してゼロではありません。コンパクトカー「フォーカス」の次期モデルがEVとして2018年に欧州で投入されますが、もともと日本でも人気を得ていた車種でもあるため、市場の動き次第では再上陸も有り得るでしょう。

フォード 日本撤退

画像出典:express

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